植物工場とは

植物工場 概要

植物工場には人工光型植物工場(Plant Factory with Artificial Light, PFAL)と太陽光型植物工場があります(図1)。人工光型植物工場は光源に人工光を用い、空調と養液栽培を導入し、植物生育に必要な環境要素(光、温度、湿度、CO2ガス濃度、気流)を制御し、周年安定的に高品質の植物を栽培する施設です。当協会は人工光型植物工場を対象にしています。

植物工場の種類

人工光型植物工場は、目的と植物種類によって、野菜工場(葉菜類・果菜類)、苗生産システム(野菜苗、花き苗)、薬用植物工場、バイオ植物工場などに分類できます。 植物工場の代名詞である野菜工場は、1970年代に開発されて1980年代に最初の商業生産が開始され、その後現在までの30年の間に全国的に普及しました(2016年2月現在191箇所)。10数年前から世界が注目し始めて、現在では欧米・アジアの多数の国でR&Dが盛んです。

苗生産システムは閉鎖型苗生産システムともよばれます。2000年代前半にシステムの販売が開始され、種苗メーカーを中心に導入されています。

薬用植物工場はまだ実用化されていませんが、現在、漢方製剤や化粧品の原料等になる薬用植物を生産するための技術開発が盛んです。

バイオ植物工場を用いる医薬品原材料生産は、ここで生産した原料を用いた動物用医薬品製造販売が2013年に世界で初めて承認されています。

野菜工場を中心とする人工光型植物工場の主な特徴は以下のとおりです。

  • 外部の天候に左右されることなく、均一な品質の植物を生産できる(図2)。
  • 周年、安定した生産量が実現できる、この結果、計画栽培が可能になる。
  • 省スペース化や立体栽培が可能であるため、床面積あたりの生産量が高い。
  • 栽培環境条件を制御することによって、栽培期間を短縮できる。その結果、年間の生産量が極めて高い。
  • 作業環境は快適であり、軽作業が主体となる。
  • 閉鎖空間であるため、外界から害虫や菌類が混入しないため、農薬を使用しないですむ。
  • 生産物に付着する雑菌が少なく、衛生的である。
  • 閉鎖度が高く、水、培養液、CO2ガスなどをリサイクル(図3)でき、廃棄物も少ない。
  • 工業と同じく、生産に必要な資源とエネルギーを明示できる(図4)。
  • 気象の影響を受けないので、国や地域にかかわらず同一条件で工場生産ができる。
  • 栽培環境条件を制御することにより、植物が持つ特定の成分含有量を増加できる。

葉菜類の栄養成分濃度の経時変化(アスコルビン酸) 水の効率的利用 植物工場の物質収支とエネルギー収支

日本発のユニークで先端的な植物生産システムである人工光型植物工場は、今、世界で、将来の食料生産を担う次世代生産システムとして注目されています。当協会はさまざまな事業活動を通じて、植物工場のさらなる発展に貢献します。

文責:業務執行理事 後藤英司

工場野菜のメリット

近年、店頭で見かけるようになった植物工場で作られた野菜。じつは、消費者のみなさまにとって嬉しいポイントがたくさんあります。

工場野菜のメリット 概要

参考文献
高辻正基/著、植物工場-土なし栽培から新家庭園芸まで(ブルーバックス)、講談社 (1979)
日本施設園芸協会/編、植物工場のすべて-施設農業の現状と今後の方向-、日本施設園芸協会 (1986)
高辻正基/著、図解 よくわかる植物工場、日刊工業新聞社 (2010)
古在豊樹/著、人工光型植物工場、オーム社 (2012)
古在豊樹/監修、図解でよくわかる植物工場のきほん、誠文堂新光社 (2014)
Goto, E. Plant production in a closed plant factory with artificial lighting. Acta Hort. 956: 37-49 (2012)
日本施設園芸協会、平成27年度次世代施設園芸導入加速化支援事業(全国推進事業)(別冊2)
「大規模施設園芸・植物工場 実態調査・事例集」(2016)


TOPへ戻る